あまり知られていませんがヴァージニア州にはリッチモンドという都市があります。ワシントンDCに比べると観光という点では少し見劣りしてしまいますが、それでも見どころはいっぱい。今日はそんなリッチモンドのおすすめの場所のお話です。

絵日記:リッチモンドについて知っていますか

週末を利用して
ヴァージニア州リッチモンドへ
出かけることにしました。

ワシントンDCから車で1時間半ほどで行けるので
少し足をのばすにはちょうど良い距離です。

豆知識1 あまり知られていませんがリッチモンドはヴァージニア州の州都です 位置的にはこのあたり

イギリスの植民地だったアメリカ

独立戦争の最中(1780年)に
イギリスからの攻撃を避けるため

海に近いウィリアムズバーグからリッチモンドへ
ヴァージニアの州都が移されました。

さらにリッチモンドが歴史に登場するのは
奴隷制反対の合衆国(北軍)と
奴隷制維持の連合国(南軍)が戦った南北戦争

豆知識2 リッチモンドは南北戦争時の連合国の首都 ヴァージニア州は南軍に参加しヴァージニア州議事堂は南軍の本拠地として使われました。

さて
南北戦争でもっとも有名なのは
北軍を指揮したリンカーン大統領

この大統領が主役のスピルバーグ監督の映画
「リンカーン」(2012)
ご覧になられましたか?

豆知識3 ヴァージニア州議事堂は映画「リンカーン」で北軍の議事堂の場面で使われています。

南軍の議事堂だった建物が
北軍の指導者リンカーンの映画で
北軍の議事堂として使われているのは
皮肉なところではありませんか

こんな歴史たっぷり、みどころたっぷりの
リッチモンド

なのに
夫が一番行きたかったところ

リッチモンド出身の同僚の一押し

Buz & Ned's Real Barbecue 窓口でバーガーを受け取るとてもカジュアルなバーベキューバーガーレストランです

https://www.buzandneds.com/

11時の開店と同時に出かけたけれど
すでに長蛇の列ですごくにぎわっていました。

とてもおいしかったけれど
びっくりするほどではないかなといった感じ

そして次に夫が興味深々だったところ

たまたま前を通りかかった保護猫のいる猫カフェ

https://centralpurrk.com/

2017年にオープンしたそうです。

お店の前で「ネコと遊びたい」「うちに二匹いるでしょ、浮気するつもり?」「たまにはちょっと気分を変えて」

「何を〜!」という問題発言まで飛び出す夫
でも

「わざわざリッチモンドに来て、ネコと3時間も遊んでられないの」「はい、議事堂へ行くよ」

まあ、当然の結果でしょう

とは言ったものの
かわいいネコたちに浮気心がでたのは
私も同じ

ごめんよ〜 シロとクロ

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最近はアメリカにも猫カフェが出来てきているらしいのですが、初めて見たので夫も私も興味深々。しかしせっかくリッチモンドにやってきたので、まずはリッチモンドならではの場所に出かけないと。

でもリッチモンドならではの観光地ってどこなのでしょう。家にある「地球の歩き方・アメリカ」ではたったの2ページ、4行くらいの説明の観光地が3つだけ記載されていて、ほぼ役にたちません。

あまり有名な都市ではないので英語でさえも情報も限られていて、普通はホテルに観光地を紹介したパンフレットなどがあるのだけれど、それもみあたりません。

ただ一枚、ピラッと町の地図があったので、これを握りしめての手探りの観光となります。

ただリッチモンドというとまず思いつくのはアメリカ南北戦争。ということで王道のヴァージニア州議事堂からスタートすることにしました。

南北戦争をたどるリッチモンド観光

まずはとても簡単にアメリカ南北戦争の説明を少しさせてください。

アメリカ南北戦争とは

時代的には明治維新直前頃の戦争

アメリカの南北戦争は1881年から1885年の間にアメリカ北部の州とアメリカ南部の州が戦った内戦です。日本では大政奉還が1867年なので明治維新直前に起こった戦争ということになります。

そういえば西郷隆盛がモデルの映画「ラストサムライ」も主役のトム・クルーズは南北戦争で心の傷を追って日本へやってきた設定になっていました。

リッチモンドは負けた側の首都

さて、この南北戦争、綿花農業中心で奴隷制を維持したい南部の11州がアメリカ合衆国(北軍)を脱退しアメリカ連合国(南部同盟・南軍)となって北軍と争った内戦で

当時の北軍の大統領は奴隷解放で有名なリンカーン大統領。結果的には北軍が勝利した戦いです。

リッチモンドのあるヴァージニア州はこの戦争で南部同盟(敗者)に参加し、それにともない南部同盟の首都がリッチモンドに置かれることになりました。

このような背景からリッチモンドには南北戦争にゆかりのある観光地が多くあるのです。なのでまずは南北戦争関連の観光地をご紹介したいと思います。

ヴァージニア州議事堂

1時間程度のガイドツアー

映画「リンカーン」にも登場しているこの議事堂、もともとはアメリカ独立宣言を起草した第三代大統領トーマス・ジェファーソンが設計したもので、ローマ建築様式で建てられたとても美しい白亜の建物です。 

内部を無料で見学する事もでき、1時間程度のガイドツアーもあります。私たちについてくれたガイドさんは知識も豊富で朗らかで、1時間のツアーはとても楽しかったです。

リッチモンドの象徴的な建物ですし内部装飾も美しいのでぜひ訪れてみてください。

事前に少し「南北戦争」の知識を

ただここを訪れてから少し後悔したのは私の知識不足。南北戦争の主要な登場人物をあまり知らずに訪れたのでピンとこないこともいっぱいで、夫に「だれ?」「だれ?」と質問連発です。

英語でのガイドですし細かい歴史の話が出てくるので、もしお時間があるようなら事前に少し南北戦争やヴァージニアの歴史を読んでいったほうが分かりやすいかもしれません。

南軍の象徴、リー将軍に思いを馳せよう

この議事堂、もちろんアメリカ初代大統領のジョージ・ワシントン像やトーマス・ジェファーソンの肖像画があります。

しかし、それよりも注目は立派なロバート・リー将軍の像。この議事堂で彼は南軍の司令官の任命を受けたそうです。

あとで少し書いていますがリー将軍は奴隷制を指示した南軍の象徴、なのでその像は、今アメリカ各地で論争の的になっています。

この議事堂にも立派な物が一つあるのですが、しかしリッチモンドでリー将軍の像といえば次にご紹介するモニュメント通りの物がとても有名です。

Virginia State Capitol/Capitol Visitor’s Center
https://virginiacapitol.gov/

モニュメント通りの6体の像

リッチモンド・ダウンタウンの北西の高級住宅街に「モニュメント通り」という大通りがあり、この大通りの中央、数ブロックごとに南部同盟ゆかりの人々の大きな像が建てられています。

6体すべてを歩いて見て回るには少し距離があるので大変かと思いますが、ダウンタウンから車を走らせるのであれば、ダウンタウンに近いところから

  • J・E・B・スチュアート:南部同盟の陸軍少将
  • ロバート・リー:南部同盟の陸軍大将
  • ジェファーソン・デイビス:南部同盟唯一の大統領
  • ストーンウォール・ジャクソン:南部同盟の陸軍少将
  • マシュー・フォンテーン・モーリー: 南軍の士官、海洋学者、海洋気象学者
  • アーサー・アッシュ: テニス選手
という順番に像を見ることができます。

オススメはこの2つの像

もちろんこの中で一番有名なのはロバート・リー将軍。何度となくリッチモンドへ攻め込もうとした北軍を追い出すことに成功した将軍で、この像が6体の中で一番最初に建設されました。

なのでもし一体だけ車を止めて写真を撮るならおすすめなのはこの像です。驚くほど大きな台座の上の騎乗の将軍を見上げる形になるので、写真を撮るなら少し離れた歩道からの方がいいかもしれません。

さらにもう一体訪れるならば南部同盟で唯一の大統領ジェファーソン・デイビス。

北軍の大統領リンカーンや南軍のリー将軍ほどは有名でも人気があるわけでもありませんが、そしてモニュメントのデイビス大統領本人の像もとても小さいのですが是非。

というのもこのモニュメントはもうすぐ見られなくなるかもしれないからです。

取り壊されるかもしれない南軍ゆかりの像

建設当時から物議をかもしていた南部同盟関係者の像建設、やはり南部同盟が奴隷制度を容認する立場を取っていたのが大きいと思います。

さらに最近の白人優位主義者と人種差別廃止運動の対立の激化もあって、このリー将軍の銅像に赤いペンキがかけられる事件も。

2018年になると像反対派の現市長が「モニュメント通りの像を考える委員会」を招集し、この7月に委員会はジャクソン・デイビスの像を取り除くことも勧告しています。

ということで、もう見られなくなってしまうかもしれないジャクソン・デイビス像、近々リッチモンドに寄られるかたは今のうちにどうぞ。

これだけでもなんとなく南北戦争の雰囲気を味わうことはできるのですが、さらにもっとしっかり南北戦争について知りたいと思われるならば、そして時間の余裕があればアメリカ南北戦争博物館はいかがでしょう。

アメリカ南北戦争博物館

その名の通り、南北戦争をより知ることができる博物館ですが、実際の展示は「南部同盟ホワイトハウス」「ヒストリック・トレデガー」「アメリカ南北戦争博物館・アポマトックス」の3カ所に分かれています。

アクセスのいい南部同盟ホワイトハウス

この中でもし訪れるのであればまずは「南部同盟ホワイトハウス」を。ここは南部同盟のデイビス大統領が居住していた公邸なのですが、なぜお勧めするかというとヴァージニア州議事堂のすぐ側にあるから。

議事堂とセットでちょっと立ち寄るにはもってこいですし、ガイドツアーもあります。

南北戦争に興味があればヒストリック・トレデガーへ

しかしさらにしっかりと南北戦争について学びたいのであれば「ヒストリック・トレデガー」へ。この施設もリッチモンド市内にあり、歩くとかなり距離がありますが車だとすぐです。

以前、ホワイトハウス横にあった南部同盟博物館は現在、この場所に統合されていて南北戦争の歴史が、南軍、北軍、そしてアフリカ系アメリカ人の視点から学べるようになっています。

終戦の地アポマトックスは遠いよ

そして3つ目の展示場は「アポマトックス」はその名の通りアポマトックスというリッチモンドから車で1時間半くらいの町にあります。

あまり大きな博物館ではないので南北戦争にとても興味がなければわざわざリッチモンドから出かけることもないかとも思いますが、この「アポマトックス」は南軍のリー将軍が降伏し南北戦争が終結した場所でもあるので、南北戦争に興味のある方は足をのばしてみてもいいかもしれません。

ヴァージニアには南北戦争関連の都市や史跡がたくさんあります。そしてそれらを旅行しているとやっぱり気になる南軍の本拠地リッチモンド。

なのでもしリッチモンドにお立ち寄られる場合には是非、南北戦争関連の場所も訪れてみてください。

The American Civil War Museum
https://acwm.org/

リッチモンドのその他の観光地

さて、リッチモンドには南北戦争関連施設以外にも見どころがたくさんあります。あまり大きな街ではないので、もし車やウーバーをお使いならば簡単に回れるのではないかと思います。

町歩きを楽しむ

まずは町歩きが好きな皆さんに朗報。リッチモンドには小さな地元のお店やレストランが並んでいる素敵な通りがいくつかあります。

Carytown

まず訪れて欲しいのはダウンタウンから車で20分ほどのところにあるCarytown

W.Cary St.沿いにはかわいいスパイス専門店、アンティークな服飾を扱うお店、お土産に最適な小物を売っているセレクトショップと面白いお店がならんでいます。

またもし時期があうなら是非ハロウィンの週末に訪れてください。通りの小売店がハロウィンに参加していて、かわいい仮装をした子どもたちがかぼちゃのバケツをもってキャンディをもらうためにたくさん歩いています。

さらに「ゾンビ・ウォーク」というイベントも開催されていて、仮装をした大人がぞろぞろと歩道を歩いているだけといえばそれまでなのですが、50人以上の参加者でそれぞれの仮装がとても凝っているので十分楽しめます。

Shockoe Slip Historic District 

Carytownと比べるとかなりこじんまりとしていますが、ダウンタウンに石畳の趣のある地区があります。議事堂のすぐ側なのでランチに利用されるといいかもしれません。

いくつか素敵なレストランやカフェがあり中華料理屋さんもあります。本屋さんやアンティークショップを訪れるのも楽しいです。

エドガー・アラン・ポー博物館

日本人の多くの人が「エドガー・アラン・ポー」の名前は知っていると思います。というのも明智小五郎で有名な作家「江戸川乱歩」はこのアメリカ人の作家の名前から取られたものだから

でもこの作家の作品となると読んだことがある人はあまり多くないのではないでしょうか

ちなみに有名な作品は「モルグ街の殺人」「大鴉」「黒猫」。もちろん私も夫もどれも読んだことはありません。でもせっかくなのでということででかけてみました。

とても美しい敷地内の庭には本当に人懐っこい黒猫が数匹のんびりと歩いています。もちろん「黒猫」にちなんでいるのだと思います。

博物館はとても小さいものですが、ポーの数奇なそして少し悲しい人生を知ることができて思ったよりも良かったです。

ブラウン・アイランド

アメリカ南北戦争博物館の「ヒストリック・トレデガー」はジェームス川沿いにあるのですが、博物館から川側へ下って行くと橋があり、ブラウン・アイランドと呼ばれる小さな島にわたることができます。

市民の週末の憩いの場という感じでとりたてて何があるわけでもないのですが、お天気が良い日なら橋を歩いて渡り川風を楽しむだけでもとても気持ちがいいです。

また橋からリッチモンドの景色を楽しむこともできるので少し時間に余裕があると足をのばしてみると良いかもしれません。

また「ヒストリック・トレデガー」やブラウン・アイランドへ渡る橋の近くにはVirginia War Memorialがあり、様々な戦争で亡くなったヴァージニア出身の兵士が祀られています。

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全体的にはとても小さな町なので1泊2日で十分、見て回れると思います。また行ったことがないので今回、ご紹介しませんでしたが、お庭が美しいMaymont、アメリカ大統領が二人眠る Hollywood cemetryなどもあります。

私の勝手な感覚ですが安全面では観光地は日中に歩くのにはあまり問題ありません。夜も車で動き回るには問題ありませんが 、人気の少ないところなどは極力、歩かない方がいいと思います。

もしDCやヴァージニアにお立ち寄りの際にお時間があれば一度、訪れてみてください。