韓国語を勉強し始めるとぶち当たる壁の一つに家族・親戚の呼び方があります。日本語より遥かに複雑で難しいのです。私は覚えるのをあきらめてしまったのですが、でもあきらめた後にもつづく親戚付き合い、あなたならどうやってこの難しい親戚の呼び方を乗り越えますか?
韓国で生まれ小学生でアメリカへ移住した夫

なので夫家族との生活には
英語文化と韓国語文化が混在しています。

例えば

義弟夫婦は私たちをこう呼びます 「かーこ」「ぽん太」「オッパ」「オンニ」

「オッパ」と「オンニ」は韓国語で女性が
自分より年上の男性・女性を呼ぶときに
使う呼び方

義弟はファーストネーム、義妹は韓国語で
義弟夫婦、夫婦間で統一感ゼロです。

そんなことを言っている
私たち夫婦と言えば

義姉夫婦をこう呼んでいます。「ナンシー(仮名)」「ヒョンニム」2

「ヒョンニム」とは韓国語でお兄さんという意味

ここでも違った意味で統一感ゼロです。

さらに

義妹の娘たちは私たちのことを「サムチョン(おじさん・韓国語)」「アンティ(おばさん・日本語)」
と呼びます。

私が韓国人でないというのも
一因かもしれませんが

どうやら「統一感」という言葉は
私たち家族には無縁のようです。

さらに、ぽん太のお母さん
私にとっての義母は
3パターンで呼ばれています。

夫と夫兄弟 「オンマ(ママ・韓国語)」 夫兄弟の配偶者 「オモニム(お母様・韓国語)」 私 「マム(ママ)」

まあ、この統一感のなさの原因は
ほぼ100%私にあるのでしょう

しかし

これをいったいどう説明するの?「マミー(英語)」「アッパ(韓国語)」

もうこうなってくると「潔さ」まで
感じる不統一感

なんでこんなことになっているのかは不明
そして明らかにこれは
私が原因ではありません。


Bar-border-F

この統一感のなさですが、ある意味、夫家族のおおらかさを表していて、これが韓国語が話せない私を救っているのも事実。

そして家族ひとりひとりの韓国やアメリカでの滞在年数、また韓国文化・アメリカ文化の関わり方によってみんなが好きな選択をしています。

義母の呼び方については、最初のころは私も丁寧に「オモニム」って呼んでいたのだけれど、私が韓国語を話すのをあきらめた頃から、そして実母が亡くなってからなぜだか自然に「マム」と呼ぶようになりました。

全く韓国語を話さないのに呼びかけだけ韓国語っていうのもあまりに不自然で、そして「オモニム・お母様」というのはすごく距離があるようにも感じるので、、、

ちなみに私は姪たちのまねをして夫の「おじさん」はみんな「サムチョン」夫のおばさんはみんな「アンティ」って呼んでいます。

なぜなら韓国語での「おじさん」「おばさん」の呼び方がとても難しいから。ではどれほど韓国語での家族・親戚の呼び方がややこしいのか、ほんのちょっとさわりだけご紹介したいと思います。

 韓国語の家族の呼び方がどれほど難しいか

韓国語で兄弟を呼ぶ時には

上下の差を重視する日本語

韓国語での兄弟の呼び方を考える前に、まずは例として英語と日本語での兄弟の呼び方を考えてみましょう。

多くの人が実際に年上の兄弟に声をかけるときは「お姉さん」「お兄さん」と呼びかけます。また、年下の兄弟には通常名前を呼ぶかニックネームで声がけをするのではないでしょうか。

また人に紹介するときは「兄」「姉」「妹」「弟」を使います。

これがアメリカになると呼びかけるときは年上でも年下でも基本は「トム」や「ナタリー」とファーストネームで。また人に紹介するときも単に「シスター」「ブラザー」を使い、自分より年上か年下かということはあまり問題視されません。

この違いから考えてみても日本の方がアメリカよりも年上か年下かということを重要視していることが見て取れます。

男女差も考慮にいれる韓国語

では韓国語ではどうなるのでしょうか。まずは韓国語で兄弟姉妹に声がけをするときはなんと呼びかけるのか紹介させてください。

  • 男性がお姉さんを呼ぶとき:ヌナ
  • 男性がお兄さんを呼ぶとき:ヒョン
  • 女性がお姉さんを呼ぶとき:オンニ
  • 女性がお兄さんを呼ぶとき:オッパ

男女関わらず妹や弟を呼ぶときは下の名前の後に「ア」「イ」「ヤ」をつけて呼びます。もしあなたが「キム・ジョンウン」のお姉さんだと仮定すると「ジョンウニ」と呼びかけることになるのです。

ここから考えてみると韓国社会は年上・年下といった年齢の差とともに男女差も考慮にいれた呼び方になっているのは興味深いところです。

おじさんやおばさんになるともう無理

さて「年上・年下」に加えて「男女差」も考慮にいれないといけない韓国語での兄弟姉妹。さらに「おじさん・おばさん」になると韓国語では本当にいろいろな呼び方があって混乱してきちんと使い分けができません。

例えば「おじさん・おばさん」だけでもざっとこんなにあります。

  • 父親の兄夫婦:クナボジ・クノモニ
  • 父親の弟夫婦:チャグナボジ・チャグノモニ
  • 父親の姉妹夫婦:コモ(妻)・コモブ
  • 母親の兄弟夫婦:ウェサムチョン・スンモ
  • 母親の姉妹夫婦:イモ(妻)・イモブ
  • 未婚のおじ:サムチョン

絵日記で描いたように姪(夫の妹の子どもたち)は夫のことを「サムチョン」と呼んでいますが、厳密に言うならば「ウェサムチョン」が正しい呼び方になるわけです。

さてこうなってくると、「おじさん」「おばさん」と呼びかけるときにとっさに「父方か母方か」「年上か年下か」さらに「血がつながっているかいないか」を判断しないといけません。

韓国語初級者にこれをすべて覚えてとっさに使い分けろというのは無理です。

ちなみに小学校からアメリカにやって来た夫も混乱していて、私が韓国語を勉強しているときに質問してもちゃんと答えられませんでした。

こんな難しいことをきちんと使い分けている韓国人と結婚した日本人の奥様たちには尊敬しかありません。

 韓国語で家族を呼ぶのはあきらめてからできること

ということで私は潔く白旗をあげあきらめました。ここでは省略していますが兄弟も「義理」になるとさらに違う呼び方があります。

アメリカで生活をしているということが甘えをよんでいるのでしょうが、このあきらめた私がそれでも細々と親戚付き合いのなかでやってきたことをご紹介したいと思います。

呼びかけないでもいい方法を考えよう

正直な話、韓国語も全然話せない段階で、この複雑な家族の呼び名をすぐに完璧に覚えて使おうとしても無理です。

韓国人じゃないし最初はわからなくても間違っても当然ということで割り切っていかないと大変ですし、また呼ばれる方も私が韓国人ではないのでもし私が間違っても最初は許してくれるでしょう。

またなんと呼んでいいか分からないうちは「呼びかけない」という手もあります。

「呼びかけ」以外にも「目をみる」「体に触れる」というありきたりのものから「少しうなり声をだして注意をひく」「あの〜と日本語でよびかける」といった荒技までいろいろとあります。

またよっぽど困ったら「夫を使う」といった方法もあります。最初の頃はこれでも良いのではないでしょうか。

人と人との関係のなかで「聞き耳」をたてよう

そしてその間にも「聞き耳」をたてましょう。「聞き耳」は本当に役に立ちます。私はこれでいろいろな呼び方を覚えました。

夫の妹がおばさんたち(夫の母親の姉妹)をたまに「イモ」と呼ぶことがあるので「なるほど」と思い、また彼女が娘たちに私は韓国語では「スンモ」って呼ぶんだよと説明していたのを聞いて「そうか」と思いました。

また夫の弟夫婦は自分の子どもたちに向かって私たち夫婦の話をするとき「クナッパ・クナマ」といいます。

「クナッパ・クナマ」は父親の兄夫婦「クナボジ・クノモニ」のカジュアル・バージョン。毎回、これを耳にしているとこの言葉を覚えてしまいました。

やっぱり言葉を言葉として単独で覚えようとしても無理があります。言葉を使う人間関係の文脈の中でそして相手の顔を思い浮かべながら覚えていかないと。

義妹夫婦の子どもたちの顔を思い浮かべながら彼女たちにとって私は「スンモ」、そして義弟夫婦の子どもたちの顔を思い浮かべながらの彼らにとって私は「クナマ」。

こうするとややこしかった言葉が急に身近に感じられるので不思議です。

またこの複雑な韓国の親族の呼び方、すべての家族が正式な呼び方を使っているとは限りません。

家族それぞれに呼び方があると思うのでみんながどのような呼び方を使っているか「聞き耳」をたてることはとても有効です。

教科書の答えが正解とは限らない

さて正しい呼び方も学び聞き耳も立て、だんだん情報が充実してきました。そして自分のなかでそれぞれの親戚のみなさんにどう呼びかけていくのかも決まってきました。

それでもなんと呼んでいいのか分からない人がいたら、それとなくその周りの人にどう呼んだらいいのか聞いてみましょう。

例えば私の場合、義姉が結婚したので私に新しく義兄ができました。「さて、なんとよべばいいんだろう」と思うわけです。

韓国語の教科書によると「義兄」の正式な呼び方は「アジュボニム」、口を回すのも大変な難しい単語ですぐには使えそうにもありません。

でも義妹(夫の弟の奥さん)は夫のことを「オッパ」と呼んでいます。これは「オッパ」もありなのかとも思います。こっちの方が簡単だし。

ただ義妹と私たち夫婦の関係はとても親しいですが、義兄と私たち夫婦はそれほどではありません。また義弟夫婦は若い頃にアメリカに来ましたが、義兄は成人してからアメリカにこられました。

考える要素が山ほどあってかなり混乱してきたので結局、義姉に聞いてみることにしました。義姉はしばらく考えたあと「ヒョンニム」でいいよとのこと。

「ヒョン」とは男性からみて兄、そして「ニム」とは「さん・様」です。

教科書的な解答で行くなら「ヒョンニム」は私が義姉を呼ぶときに使わないといけない言葉、もしくは夫が私の兄に使わないと行けない言葉です。

でも私は義姉をファーストネームでしか呼んでいないし、「ヒョン」は「兄」ということは知っている私。ということで「ヒョンニム」は覚えやすくてちょうどよく今は夫も私も義兄を「ヒョンニム」と呼んでいます。

結局のところ教科書的な正解が正解とは限りません。もちろん、正しい名称や呼称を覚えるのは大切だと思います。

ただあまりの難しさにほぼあきらめモードの私のような場合、自分の身の回りの親戚の呼びかけを日常生活の中で、そしてその家族のやり方で覚えていけばいいのではないでしょうか。

とこんなにえらそうなことを描いていますが、いろんなことを学んだあとにも夫のおじさん、おばさんを「サムチョン」「アンティ」と呼び続けている私。

人の呼び方は一度、使って使ってしまうとなかなか変えるのは難しいです。そして今のところ、おじさん・おばさん達は私の呼び方に疑問を抱いていないようなので、これからもこのまま「楽な道」を押し通す予定です。

↑このページのトップヘ