ワシントン首都圏に戻って来た機会に分譲マンション(コンドミニアム)を購入することにしていました。条件がいろいろあったので不動産屋さんと一緒に20件以上の物件を見て回りました。さらに自分たちで調べたのが物件地域の治安。今日は私たちが購入する地域の治安をどのように調べたのかもあわせてご紹介したいと思います。
でもいろいろな物件を見る中で
だんだん自分たちの条件が分かってきました。
まず





最初はどんなマンションに住みたいのか
漠然とした考えしか持っていませんでした。
でもいろいろな物件を見る中で
だんだん自分たちの条件が分かってきました。
まず

さらに

ワシントンで駐車場付きということで
ハードルが少しあがります。
加えて

加えて

と不動産屋さん泣かせの条件連発
そして

でも不安なのは

結局、ぽん太が治安を不安視したので
さんざん悩んだ末に購入を見送りましたが
その後
すぐにこの地下鉄の駅前がニュースに登場
お昼間に人通りの多い駅のエスカレーターで
発砲事件が発生していました。
そして先日も地下鉄駅前で犯罪のニュースが

すみませんでしたっ!
夫に言わせると日本の「治安が悪い場所」はアメリカの感覚では全然悪いと思わないそうです。
ちなみに私は日本のスターバックスなどでかばんを置いて場所取りをしているのを見ると「ここは楽園か」と思います。
日本とアメリカの治安を比べてみると
日々の生活では忘れていますがアメリカの治安は日本とはレベルが違うよう。では実際のデータを見てみましょう。
世界の平和指標
シドニーに本部を置く世界的に有名なシンクタンク、Institute for Economics & Peaceは毎年、世界の平和指標(Global Peace Index)を発表しています。
この指標、「国内や国外の紛争」「社会の安全度や治安」そして「軍事への力の入れ方」にかかわる様々な指標を元にしているのですが、この「社会の安全度や治安」の2018年の指標で日本は6位ですがアメリカは47位
もちろんアメリカはテロの脅威にさらされているのでそれで順位を落としているのもあるのですが、、、
ちなみに他の「紛争」と「軍事」を加えた総合的な評価では日本は9位、アメリカは121位となってしまいます。
「社会の安全度や治安」指標で日本は6位ですが、日本よりも安全な国は1位のアイスランド、そしてノルウェー、デンマーク、シンガポール、ニュージーランドと続きます。なるほどやっぱりというところでしょうか。
英語のみになってしまいますが、ご興味のあるかたは「Global Peace Index 2018」の全文をこちらからどうぞ
http://economicsandpeace.org/research/#measuring-peace
国連薬物犯罪事務所のデータ
さらに国連の薬物犯罪事務所(UNODC: United Nations Office on Drugs and Crime)が人口10万人のうち、犯罪に巻き込まれて亡くなった人数のデータを公開していますが
少し古いですが2016年のものでアメリカは約1万7千人(5.35%)、日本は362人(0.28%)となっています。
また人口10万人のうち身体に深刻な被害を受けた被害者の割合はアメリカで80万人(249.20%)、日本で2万4千人(19.08%)となっており、こちらも大きなな開きがありますね。
ご興味のある方はこのウェブサイトで各国の状況を見ることが出来ます。
https://dataunodc.un.org/crime
この国別のデータを見る限り、日本と同じ感覚でアメリカの「治安」をとらえるのは危険で、アメリカで生活をするのであればしっかり身の安全を考えないといけないことが分かります。
もちろん、国のなかでも都市によってさらに地域によっても治安状況はさまざまです。後ほど出てきますが、アメリカの都市でも東京よりも治安の良い都市もあります。
さてそうなるとアメリカで物件を購入するときに気になるのは自分の生活圏の治安はどうなんだろうということ。
物件購入前に地域の安全度を調べる方法
まず、日本で順当な方法は不動産業者さんに「このあたりって治安はどうですか?」て聞くことでしょう。
もちろん、私も早速、私たちの不動産業者に聞いてみました。その答えが「僕たちはそういった質問に答えてはいけない」とのこと
おそらく不動産業者の個人の感覚といった不確かな情報をクライエントに伝えてはいけない、さらに不当な地域格差をつくりだしてはいけないからだと思います。
となると自力で調べないといけないのですが私たちが使ったのはこんな方法です。
NUMBEO
元グーグルのエンジニアによって作られたNUMBEOというウェブサイトがあります。このサイト、不特定多数の一般の人々の情報を集計しており犯罪統計に関しては現在5万7千人の情報を元にしているそうです。
例えばワシントン首都圏で物件を探しているとワシントンDC内、バージニア州北部、メリーランド州南部といろいろな選択肢があります。
このサイトで「昼間一人で歩く安全度」と「夜間一人で歩く安全度」を比べると(数値が高い方が安全)、
- ワシントンDC:昼間65・夜間39
- バージニア・フェアファックス:昼間99・夜間75
- メリーランド・シルバースプリング:昼間80・夜間55
同じワシントンの地下鉄通勤圏でも治安状態が違うことがとてもよくわかります。
もちろん治安だけでなく価格、物件の広さ、便利さ、学校などいろいろな他の要素も考えて生活する場所を選ぶのでしょうが、まだはっきりと住む場所が決まっていないのであればご参考にされるといいかもしれません。
ちなみに東京は昼間88・夜間84、大阪は昼間90・夜間85でした。
この指標、海外旅行の際にも使えるかもしれませんね。
https://www.numbeo.com/crime/
警察のデータを調べる
さて住もうと思っている都市の安全状況を確認し住む都市を決めたとしても、それぞれの都市の中での治安状況は地区によってかなり違ってきます。
私たちの場合は最初からワシントンDCに住むことを決めていたので、知りたいのはDCの中の各地域の治安状況。
これを調べるために私たちはワシントンDC警察のウェブサイトに入りました。
https://mpdc.dc.gov/
https://mpdc.dc.gov/
このサイトにはがワシントン内を細かく地域分けしそれぞれの治安状況を色分けしている地図があって、各地域の治安状況は一目瞭然です。
さらに購入予定物件の住所を入れて、物件からの距離、過去30日から過去1年までの範囲を設定するといろいろな犯罪の発生件数をみることができます。
私たちはそれぞれの物件の住所を入れて物件ごとの治安状況を調べていました。
小さな自治体だとなかなか難しいかもしれませんが、大都市での物件探しだと警察のウェブサイトを訪れてみるのもいいかもしれません。
自分の目で確かめる
もし徒歩で町を歩いてみても安全な地域ならば、やっぱり自分の足で歩いて雰囲気を確認するのが一番です。それが難しい場合には車でやはり周辺地区をまわってみましょう。
私たちが真っ先に確認するのは道路のごみと壁の落書き。道路にゴミが多く落ちていて壁の落書きが多いところは基本的にあまり治安はよくありません。
また定職についていない人々がどのくらい公園や駅周辺に集まっているか、駅から家までの人通りはどうか、家族連れが歩いているかなどの歩行者の状況も見てみます。
さらに、どのようなレストランや小売店があるかによっても地域の住民の雰囲気を知る手がかりになります。アジア系のレストラン、リベラルを「売り」にしているレストラン、子ども用品の小売店、分かることはいろいろあります。
時間があれば朝、お昼、夜、平日、休日といろいろな時間帯で見てみるのもいいと思います。
また物件の購入を考えておられる際には「今、この時点」の治安も大切ですが長期的にその地域がどのように変わっていくかの予想も必要になってくるので、そうなってくるとますます考えることは増えてきます。
もちろんある意味運まかせのところもありますが、どうか後悔のないようしっかり情報集めをしてみてくださいね。